• 2019年1月18日

カフカ短編小説 その2

『皇帝の使者』  死の床にある皇帝が、一介の市民に過ぎないあなた(Du)に宛てて伝言を送る。だが、その伝言を預かった使者は、懸命に駆け続けているにもかかわらず、決してあなたにたどり着くことはない。何千年もの間。。。 それでもあなたは、皇帝の伝言(Botschaft)を待ち続けている。  例によって、 […]

  • 2019年1月18日

カフカ短編小説

 カフカは、未発表や未完成作品を含めて、数多くの短編を残した。カフカの短編小説の多くは、寓話(parable)と呼ぶべきものであって、話の筋や流れ自体にほとんど意味がない。そのため、その話が何を物語っているのか、いろいろと解釈する必要がある。  実存主義、ユダヤ教、20世紀初頭のプラハ、病と孤独、複 […]

  • 2018年8月21日

ヤン・ゴンダ『インド思想史』~仏教理論編~

 J・ゴンダ『インド思想史』のまとめ続き。今回は仏教について。 ブッダの不可知論  ブッダは悟りを開いた当初、自らが達した解脱智を人々に説くことを躊躇していた。しかし、世俗化する祭式主義と出家などの苦行主義とに両極化する中で、人々が苦しみの中に置き去りにされている現実を憂いて、考えを改め、人々に解脱 […]

  • 2018年8月20日

ヤン・ゴンダ『インド思想史』(1948)

 インド北西のインダス川流域では、紀元前2600年頃からインダス文明が発展した。この文明は紀元前1800年頃には衰退し、それと入れ替わるような形で、紀元前1900年から1700年を境にヴェーダ期と呼ばれる新たな文化が形成されていく。 紀元前1200年頃からは、アーリア人の侵入が始まる。現代のヒンドゥ […]

  • 2018年8月15日

中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)

ブッダ本来の教えを知る  ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀頃、インド北部、ネパール国境付近のシャーキャ国の王族として生まれ、29才で出家、6年間の修行ののちに悟りを開き、その後は80才で入滅するまで北インドを中心に45年間説法をして廻った。  仏教はその成立後、1世紀頃には大乗仏教が登場し、中 […]

  • 2018年8月5日

菅野完『日本会議の研究』(2016)

 安倍首相をはじめとした保守系の政治家に大きな影響力を持つと言われる「日本会議」。 2014年に発足した第三次安倍内閣では、全閣僚19人中、16人までもが日本会議に所属している。  しかしながら、その実態がほとんど謎に包まれていた。本書では、この「日本会議」の成り立ちや人脈、その活動内容や思想を詳細 […]

  • 2018年5月1日

井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(2016)

人工知能の飛躍的発展  1980年代の人工知能の研究は、人間の記号処理や論理的思考の再現を目指すものだった。しかし、その研究はさしたる成果もないまま行き詰まった。 そこで、90年代の末頃からは、確率・統計的手法で、人間の認知能力を再現する研究が主流になる。AIに論理的推論を行わせるのではなく、膨大な […]

  • 2018年3月10日

大村大次郎『税務署の正体』(2014)

 また今年も確定申告とかいうメンドクサイ申告の季節がやってきた。 ほんと、頭痛い。  まともに払ったところで、どーせ、まともに使われはしない。使われ方はまともに精査されないくせに、支払い方には、めちゃくちゃ厳しい。と、文句を言ったところで、税務署は待ってくれない。  税務署へ行くと、もう、そりゃ、長 […]

  • 2018年1月15日

水村美苗『日本語が亡びるとき』(2008)

消えていく言語  一説では、現在世界に5000から8000の言語が存在しているといわれる。数え方にもよるが、少なくとも3000近くあると見るのが一般的らしい。 世界には多種多様な言語が存在しているが、それと同時に消滅の危機に瀕している言語も数多く存在している。その数はユネスコの発表によれば、2009 […]

  • 2017年11月30日

辻井喬・上野千鶴子『ポスト消費社会のゆくえ』(2008)

 辻井喬こと堤清二と上野千鶴子の対談本。 80年代の消費文化を牽引した西武百貨店を中心としたセゾングループのお話。  2008年の出版で、この対談が行われた年は、長引くデフレ経済で景気はどん底、金融危機のあおりで株価もどん底、という消費文化の低迷が濃厚な時期。なので、かつての消費文化を総括する、これ […]