• 2018年8月15日

中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)

ブッダ本来の教えを知る  ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀頃、インド北部、ネパール国境付近のシャーキャ国の王族として生まれ、29才で出家、6年間の修行ののちに悟りを開き、その後は80才で入滅するまで北インドを中心に45年間説法をして廻った。  仏教はその成立後、1世紀頃には大乗仏教が登場し、中 […]

  • 2018年8月5日

菅野完『日本会議の研究』(2016)

 安倍首相をはじめとした保守系の政治家に大きな影響力を持つと言われる「日本会議」。 2014年に発足した第三次安倍内閣では、全閣僚19人中、16人までもが日本会議に所属している。  しかしながら、その実態がほとんど謎に包まれていた。本書では、この「日本会議」の成り立ちや人脈、その活動内容や思想を詳細 […]

  • 2018年5月1日

井上智洋『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(2016)

人工知能の飛躍的発展  1980年代の人工知能の研究は、人間の記号処理や論理的思考の再現を目指すものだった。しかし、その研究はさしたる成果もないまま行き詰まった。 そこで、90年代の末頃からは、確率・統計的手法で、人間の認知能力を再現する研究が主流になる。AIに論理的推論を行わせるのではなく、膨大な […]

  • 2018年3月10日

大村大次郎『税務署の正体』(2014)

 また今年も確定申告とかいうメンドクサイ申告の季節がやってきた。 ほんと、頭痛い。  まともに払ったところで、どーせ、まともに使われはしない。使われ方はまともに精査されないくせに、支払い方には、めちゃくちゃ厳しい。と、文句を言ったところで、税務署は待ってくれない。  税務署へ行くと、もう、そりゃ、長 […]

  • 2018年1月15日

水村美苗『日本語が亡びるとき』(2008)

消えていく言語  一説では、現在世界に5000から8000の言語が存在しているといわれる。数え方にもよるが、少なくとも3000近くあると見るのが一般的らしい。 世界には多種多様な言語が存在しているが、それと同時に消滅の危機に瀕している言語も数多く存在している。その数はユネスコの発表によれば、2009 […]

  • 2017年11月30日

辻井喬・上野千鶴子『ポスト消費社会のゆくえ』(2008)

 辻井喬こと堤清二と上野千鶴子の対談本。 80年代の消費文化を牽引した西武百貨店を中心としたセゾングループのお話。  2008年の出版で、この対談が行われた年は、長引くデフレ経済で景気はどん底、金融危機のあおりで株価もどん底、という消費文化の低迷が濃厚な時期。なので、かつての消費文化を総括する、これ […]

  • 2017年11月15日

清水幾太郎『本はどう読むか』(1972)

読まれる読書から読む読書へ  読書というのは、なんとなく読んでいるだけで、自分が考えたような気になってしまう。しかし、著者に言わせると、それは本に「読まれている」だけで、自分にとって意味のある読書体験にはなっていない、ということらしい。  まぁ、確かに、字面だけ追っていって、なんだか読んだような気に […]

  • 2017年9月22日

神野直彦『人間回復の経済学』(2002)

市場経済に従属する人間  1982年から87年の足掛け6年に亘った中曽根政権は、構造改革を主導し、規制緩和、民営化、行政改革を推し進めた。しかし、その結果の90年代は、「失われた10年」と呼ばれ、長期の経済停滞に陥った。 2001年4月に誕生した小泉政権は、この経済停滞をさらなる規制緩和と民営化によ […]

  • 2017年6月11日

日本戦時下の笑い その2

早坂隆『日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争編』(2007) 過酷な時代の笑い  前作『満州事変・日中戦争編』の続編。今作は、昭和16年の太平洋戦争開戦から、昭和20年の終戦まで。 日本の有史以来、最も過酷だった時代だ。この時代を生きた人々の笑いとはどのようなものだったのか。悲惨な時代だったからこそ、 […]

  • 2017年6月10日

日本戦時下の笑い

早坂隆『日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争編』(2007) 昭和日本の芸能史  昭和初期から太平洋戦争の直前まで、いわゆる戦時下を生きた庶民の笑いを取り上げている。 昭和は確かに政治、外交ともに激動の時代だったが、本書が扱っている範囲が太平洋戦争前年までなので、まだ人々の生活に余裕が感じられ […]