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床屋政談

  • 2017年9月22日

神野直彦『人間回復の経済学』(2002)

市場経済に従属する人間  1982年から87年の足掛け6年に亘った中曽根政権は、構造改革を主導し、規制緩和、民営化、行政改革を推し進めた。しかし、その結果の90年代は、「失われた10年」と呼ばれ、長期の経済停滞に陥った。 2001年4月に誕生した小泉政権は、この経済停滞をさらなる規制緩和と民営化によ […]

  • 2016年5月11日

エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か?』(2016)

テロの衝撃  2015年1月、パリにあるシャルリ・エブド本社がイスラム過激派と見られる犯人によって襲撃され、12人が殺害された。その後、報道が過激になるにつれて、フランスの世論は一時的にヒステリー的な症状に陥っていった。 非道義的で残虐なテロに反対し、シャルリとの連帯を示すことが、フランス人としての […]

  • 2016年5月4日

松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』(2016)

 2016年刊行。  左っかわの人による左っかわへの批判。 日本の野党はすでに政党としての体を成していない。方向性を見失い、対案を何も出せないまま、ただ政権与党の批判だけを繰り返している。日本の左派勢力は、本来あるべき姿を完全に見失っている―――本書からは、著者のそうした憂慮がよく伝わってくる。 そ […]

  • 2016年2月15日

上念司『国土と安全は経済(カネ)で買える』(2014)

 日本は、積極的に支那と戦争をする必要はありません。ひたすらアベノミクスで経済力を強化しつつ、支那を取り囲む国々と経済的な連携を強め、「静謐を保つ」ことに専念すればいいのです。放っておけば支那経済は自壊します。  国防のための戦略には、大きく分けて二つの方向性がある。 一つは、周辺地域を自国の生存圏 […]

  • 2015年11月2日

孫崎享『不愉快な現実』(2012)

世界最大の経済大国となった中国  2012年刊行。  中国は今後10年以内に、経済、軍事の両面でアメリカと肩を並べる大国になる―――  これは、誰もが予想していながら、多くの人が目を背けている現実だろう。だが、その現実は予想よりも早く訪れている。2012年に出版された本書では、2020年には中国がア […]

  • 2015年11月1日

孫崎享『日米同盟の正体』(2009)

 2009年刊行。  2015年9月、安保関連法制が成立した。この安保法制によって、従来の専守防衛という憲法解釈が大きく変更され、集団的自衛権を認めることになった。そして、安全保障に関して日米の一体化をより進める結果となった。  アメリカの安全保障に関する戦略は、すでに冷戦終結後の1990年から、ア […]

  • 2015年9月21日

石井陽一『「帝国アメリカ」に近すぎた国々 ラテンアメリカと日本』(2009)

哀れメキシコよ。アメリカにあまりにも近く、天国からあまりにも遠い。 新自由主義の実験場となったラテンアメリカ  2009年の著作。 2008年9月のリーマンショックを経て、オバマ政権が誕生し、新自由主義への見直しが盛んに議論されていた頃の作品。 新自由主義は、規制緩和と民営化を中心とし、小さな政府を […]

  • 2015年9月20日

櫻田大造『対米交渉のすごい国』(2009)

小国の対米戦略  2009年刊行。 カナダ、メキシコ、ニュージーランドのような小国が、いかにして独自の対米交渉を展開したかを検証した本。  著者はこの三国の外交政策の事例から、対米交渉の際の鉄則を導き出そうとしている。21の鉄則を取り上げているが、その中でも個人的に興味深かったものを挙げると。。。・ […]

  • 2015年9月15日

エマニュエル・トッド『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』(2015)

 自由貿易は諸国民間の穏やかな商取引であるかのように語られますが、実際にはすべての国のすべての国に対する経済戦争の布告なのです。自由貿易はあのジャングル状態、今ヨーロッパを破壊しつつある力関係を生み出します。そして、国々をそれぞれの経済状況によって格付けする階層秩序に行き着いてしまいます。  201 […]

  • 2015年9月11日

門倉貴史『中国経済の正体』(2010)

リーマンショック後も堅調な中国経済  2010年刊行。 中国がGDPで日本を抜く直前の経済状況を解説している。  2008年のリーマンショック後、世界で信用縮小が進むなか、中国金融はリスクの高いサブプライムローンを避けていたため、その影響をあまり受けなかった。国内では着実に不良債権処理を進め、200 […]