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晴筆雨読

  • 2018年8月21日

ヤン・ゴンダ『インド思想史』~仏教理論編~

 J・ゴンダ『インド思想史』のまとめ続き。今回は仏教について。 ブッダの不可知論  ブッダは悟りを開いた当初、自らが達した解脱智を人々に説くことを躊躇していた。しかし、世俗化する祭式主義と出家などの苦行主義とに両極化する中で、人々が苦しみの中に置き去りにされている現実を憂いて、考えを改め、人々に解脱 […]

  • 2018年8月20日

ヤン・ゴンダ『インド思想史』(1948)

 インド北西のインダス川流域では、紀元前2600年頃からインダス文明が発展した。この文明は紀元前1800年頃には衰退し、それと入れ替わるような形で、紀元前1900年から1700年を境にヴェーダ期と呼ばれる新たな文化が形成されていく。 紀元前1200年頃からは、アーリア人の侵入が始まる。現代のヒンドゥ […]

  • 2018年8月15日

中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)

ブッダ本来の教えを知る  ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀頃、インド北部、ネパール国境付近のシャーキャ国の王族として生まれ、29才で出家、6年間の修行ののちに悟りを開き、その後は80才で入滅するまで北インドを中心に45年間説法をして廻った。  仏教はその成立後、1世紀頃には大乗仏教が登場し、中 […]

  • 2017年11月15日

清水幾太郎『本はどう読むか』(1972)

読まれる読書から読む読書へ  読書というのは、なんとなく読んでいるだけで、自分が考えたような気になってしまう。しかし、著者に言わせると、それは本に「読まれている」だけで、自分にとって意味のある読書体験にはなっていない、ということらしい。  まぁ、確かに、字面だけ追っていって、なんだか読んだような気に […]

  • 2017年6月11日

日本戦時下の笑い その2

早坂隆『日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争編』(2007) 過酷な時代の笑い  前作『満州事変・日中戦争編』の続編。今作は、昭和16年の太平洋戦争開戦から、昭和20年の終戦まで。 日本の有史以来、最も過酷だった時代だ。この時代を生きた人々の笑いとはどのようなものだったのか。悲惨な時代だったからこそ、 […]

  • 2017年6月10日

日本戦時下の笑い

早坂隆『日本の戦時下ジョーク集 満州事変・日中戦争編』(2007) 昭和日本の芸能史  昭和初期から太平洋戦争の直前まで、いわゆる戦時下を生きた庶民の笑いを取り上げている。 昭和は確かに政治、外交ともに激動の時代だったが、本書が扱っている範囲が太平洋戦争前年までなので、まだ人々の生活に余裕が感じられ […]

  • 2016年11月8日

トーマス・カスーリス『神道』(2004)

 2004年刊行。翻訳は2014年。  著者は、アメリカにおける日本思想、宗教哲学の第一人者。神道という、日本人にとってさえ、極めて捉えどころない宗教を外国人の視点から、体系的にまとめている。  多くの日本人にとって、神道は、普段、「宗教 religion」として意識されることは、まれだろう。しかし […]

  • 2016年9月11日

弓削達『ローマはなぜ滅んだか』(1989)

 人類史上初の世界帝国ローマは、いかにして滅んだか―――  これは、人類史の中で最も魅力ある主題のひとつだろう。本書は、そうした問いに、ローマ繁栄の裏にある経済や社会構造の歪みなどに焦点を当ることで答えようとしたものだ。 カルタゴとの覇権争い  ローマの繁栄とその崩壊を考えるとき、本書の冒頭で紹介さ […]

  • 2016年6月15日

樺山紘一『ルネサンス』(1993)

近代性の裏に隠れたルネサンスの異なる側面  人間中心主義と合理主義的精神——— 14世紀は、古典文芸の復興の時代であり、中世的な宗教的盲目から解放された時代だ。この時代はのちにルネサンスと名付けられる。  19世紀中葉にミシュレーとブルクハルトによって作り上げられた「ルネサンス」という歴史の見方に対 […]

  • 2016年5月1日

うつ病かな?と思ったら読む本

野村総一郎『うつ病をなおす』(2004) うつ病の3類型  うつ病を発症する要因は、多元的で、主に遺伝などの生物学的要因、習慣や体験など社会的要因、性格や気質など心理的要因などがあり、これらが複合的に作用して、うつ病が発症する。 うつ病にはいくつかの型があるが、おおよそ3つに分類することができる。  […]