• 2017年4月18日

今野晴貴『生活保護 – 知られざる恐怖の現場』(2013)

生活保護に対するバッシング  平均賃金が下がり続けるなか、社会保険料は上がり続けていて、ますます労働者の負担は重たくなっている。もう私の生活なんてカツカツだ。 劣悪な労働条件で働く人が増え続けているなか、労働者の不満は、経営者や政治家よりも、なぜか生活保護の方に向けられているようだ。連日のように生活 […]

  • 2017年4月4日

中島義道『哲学の道場』(1998)

日常誰でもが出会う事柄に対して半病的なこだわりをもち、それに対して全身でぶつかってゆき答えを求めようとする無謀でいくぶん滑稽な(まさにトン・キホーテ的な)営みこそ哲学なのです。  哲学は、一切の事柄において、何の役にも立たない。  哲学が、日常生活や仕事上において実践的な知識を与えるものでないだろう […]

  • 2017年3月11日

プラトン『饗宴』(B.C. 4c)

 彼女は言った。『では、以上をまとめると、こうなる――エロスは、よいものを永遠に自分のものにすることを求めているのだと』 哲学的文学作品  舞台は、前416年のアテナイ。ソクラテスは53歳で、壮年を迎えている。  『ソクラテスの弁明』『クリトン』『パイドン』とソクラテスの死を見つめ、その晩年の姿を描 […]

  • 2017年3月10日

プラトン『パイドン』(B.C. 4c)

プラトン中期の代表作  『パイドン』は、毒杯を仰ぐソクラテスの最期の姿を描いた作品。哲学的のみならず、文学的にも優れた内容で、プラトン中期を代表する著作だ。  「魂の不死について」という副題が付いているように、死を目前にひかえたソクラテスが、魂の不滅を議論する内容になっている。議論の相手となったのは […]

  • 2017年3月6日

プラトン『メノン』(B.C. 4c)

対話から想起へ  『メノン』は、プラトン初期対話篇の作品で、『ゴルギアス』とともに最も遅く書かれたと見られている。初期作と中期作の両方の特徴を持ち、中期への橋渡し的な位置付けにある。  主題となっていることは、「徳(アレテー)は教えることが可能なのか」という問いで、初期対話篇の『プロタゴラス』と同じ […]

  • 2017年3月5日

プラトン『プロタゴラス』(B.C. 4c)

若きソクラテス  『プロタゴラス』は、プラトンの「対話編」の中では、『パルメニデス』に次いで、最も若いころのソクラテスの姿を描いた作品。作中でのソクラテスは、36歳となっている。プラトンの初期作品群に属した著作で、プラトン自身も、おそらく30代ごろの若いころに執筆されている。  時代は、前433年、 […]

  • 2017年3月2日

プラトン『ソクラテスの弁明』(B.C. 4c)

 私は神によってポリスにくっ付けられた存在なのです。大きくて血統はよいが、その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚まさせてもらう必要がある馬、そんなこのポリスに、神は私をくっ付けられたのだと思うのです。その私とは、あなた方一人ひとりを目覚めさせ、説得し、非難しながら、一日中どこでも […]

  • 2017年3月1日

F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)

汝自身を知れ―――  デルポイの神殿に飾られたこの銘文は、ソクラテスの思想を最も象徴的に表した言葉だろう。  ソクラテス以前の哲学は、イオニアの自然学派が中心で、彼らの関心は、この世界が何によって作られ、どのようにして生成と消滅を繰り返すのかということだった。 人間の主観に彩られた神話的世界観から離 […]

  • 2016年11月26日

クリス・アンダーソン『フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』(2009)

 2009年刊行。  出版直後から非常に話題になっていた本。本屋でも平積みになっていて、非常に気になっていたのだが、「分厚い」「ハードカバー」「1800円+税もする!」というのが妨げになって、結局、買わなかった。  そのうち、買わないまま一年ぐらいが過ぎ、Bookoffで、本書が半額で売られているの […]

  • 2016年11月8日

トーマス・カスーリス『神道』(2004)

 2004年刊行。翻訳は2014年。  著者は、アメリカにおける日本思想、宗教哲学の第一人者。神道という、日本人にとってさえ、極めて捉えどころない宗教を外国人の視点から、体系的にまとめている。  多くの日本人にとって、神道は、普段、「宗教 religion」として意識されることは、まれだろう。しかし […]