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哲学談戯

  • 2020年10月4日

ジョン・ロック『知性の正しい導き方』(1706)

 イギリス経験論の祖、ジョン・ロックが一般読者向けに執筆した作品。 1697年から執筆されたようだが、生前には出版されることがなく、1706年に出された遺稿集の中に収められた。そのため、推敲を経ない未完の作品となっている。 1741年に『知性の正しい導き方』と題して、単独で出版されて以降、西欧各国で […]

  • 2020年9月9日

ヴォルテール『寛容論』(1763)

ユグノー戦争 – 血に塗られた宗教戦争  フランスは16世紀後半に、国内のカトリックとプロテスタントが血で血を洗う宗教戦争を経験している。ユグノー戦争といわれたこの惨劇は、1562年から1598年のナントの勅令によってプロテスタントの信仰の自由が認められるまで、40年近く続いた。 ナント […]

  • 2020年8月19日

プラトン『リュシス』(B.C. 4c)

紐帯の原理としての友愛(philia)  副題は、「友愛について」。 ここで論じられている友愛(ピリア philia)は、現代の友情(friendship)より遥かに広い概念だ。 古代ギリシアにおける「友愛」は、感情的な結びつきを表すものではなく、人と人との間を結びつける紐帯となる概念で、そこからさ […]

  • 2020年8月18日

プラトンの偽書『恋がたき』について

 『恋がたき』または『恋人たち』。 副題は、「哲学について」。トラシュロスのまとめた36篇の中のひとつだが、この1篇もまた、プラトンの偽作として疑われている。  現代の計量文献学による研究では、この作品は、紀元前4世紀後半頃に書かれたもので、統計的には、クセノフォンの作品の方に有意な類似性が認められ […]

  • 2020年8月17日

プラトンの偽書『アルキビアデス』について

偽書と疑われた作品  プラトンの作品として現代まで伝わっているものは、帝政ローマ期にトラシュロスがまとめた36編が基本となっている。『アルキビアデス』はその中に含まれる作品だが、古代、中世、近代を通じてプラトンの真作として、その真偽が疑われることはなかった。 だが、『クレイトポン』と同じく、19世紀 […]

  • 2020年8月16日

プラトンの偽書『クレイトポン』について

 古代ローマ帝国2代皇帝ティベリウスの廷臣であったトラシュロスのまとめたプラトン全集は、現代に至るまでプラトンの著作を編集する際の基礎となってきた。 帝政ローマ期には、すでに真偽不明なプラトン名義の著作が相当数出回っており、プラトンの真作と思われる作品をトラシュロスは整理し、編纂した。トラシュロスが […]

  • 2019年4月23日

スピノザ『神学・政治論』(1670)

思想・表現の自由を保障するための条件  スピノザといえば。。。  人格神を認めない理神論・汎神論と自由意思を否定した徹底した決定論 ―――  という印象が強いが、実際、スピノザの著作に触れてみると、どうもそんなに単純ではないようだ。  こうした教科書的理解は、スピノザの主著『エチカ』からきたものだが […]

  • 2017年4月4日

中島義道『哲学の道場』(1998)

日常誰でもが出会う事柄に対して半病的なこだわりをもち、それに対して全身でぶつかってゆき答えを求めようとする無謀でいくぶん滑稽な(まさにトン・キホーテ的な)営みこそ哲学なのです。  哲学は、一切の事柄において、何の役にも立たない。  哲学が、日常生活や仕事上において実践的な知識を与えるものでないだろう […]

  • 2017年3月11日

プラトン『饗宴』(B.C. 4c)

 彼女は言った。『では、以上をまとめると、こうなる――エロスは、よいものを永遠に自分のものにすることを求めているのだと』 哲学的文学作品  舞台は、前416年のアテナイ。ソクラテスは53歳で、壮年を迎えている。  『ソクラテスの弁明』『クリトン』『パイドン』とソクラテスの死を見つめ、その晩年の姿を描 […]

  • 2017年3月10日

プラトン『パイドン』(B.C. 4c)

プラトン中期の代表作  『パイドン』は、毒杯を仰ぐソクラテスの最期の姿を描いた作品。哲学的のみならず、文学的にも優れた内容で、プラトン中期を代表する著作だ。  「魂の不死について」という副題が付いているように、死を目前にひかえたソクラテスが、魂の不滅を議論する内容になっている。議論の相手となったのは […]