科学半解 近代医学の転回点:科学的病理学と臨床知の対話 臨床的知識とは何か? 現代の医療現場では、医療従事者に対して性質の異なる二つの知的能力が求められている。一つは、病理学や薬理学といった基礎医学の知識に基づき、病気の原因や症状を科学的に分析・診断する「科学的知性」である。そしてもう一つは、患... 2016.07.16 科学半解
科学半解 「臨床の知」と生命倫理——経験に根ざした知性の可能性 – 中村雄二郎『臨床の知とは何か』 中村雄二郎『臨床の知とは何か』(1992)臨床の知の発見 —— 近代科学の限界ともう一つの現実 近代科学は、普遍性・客観性・論理性を中心的な価値とし、世界を分析的に把握する方法を発展させてきた。この枠組みでは、現実は因果律に従う対象として切... 2016.07.15 科学半解
哲学談戯 〈近代知〉の限界とオルタナティヴ──中村雄二郎『哲学の現在』を読む 絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。中村雄二郎『哲学の現在』(1977)近代知性のオルタナティヴ(Alternative) 本書は、自我・身体・認識・宇宙像(cosmology)とい... 2016.07.10 哲学談戯
科学半解 意識はどこから来るのか──情動・言語・他者から見る自己の起源 はじめに:意識の起源を問う 「意識」とは何か。この問いに明快な答えを出すことは、現代の脳科学や哲学においてもなお困難を極める。意識とは単に自己が世界を感じる感覚なのか、それとも記憶や言語と不可分の高度な情報処理の現れなのか。いずれにせよ、意... 2016.07.06 科学半解
科学半解 「意識」はいかにして科学の対象となったか──心理学から脳科学への展開 意識とは何か?──科学が挑んだ「不可視の現実」 心とは何か?そして、「意識」とはどこにあるのか?── 実証主義を基盤とする近代科学において、「意識」という現象は長らく、捉えがたい対象であり続けた。科学的手法の前提となる「客観的観察」の枠組み... 2016.07.05 科学半解
哲学談戯 「考える葦」としての人間──パスカル『パンセ』の人間観を読み解く パスカル『パンセ』(1670)パスカルが生きた時代と『パンセ』の背景 ブレーズ・パスカルが生きた17世紀のフランスは、長く続いた宗教戦争の混乱を脱し、絶対王制の確立へと向かう安定期に入っていた。「フロンドの乱」によって一時的に社会は揺らいだ... 2016.06.05 哲学談戯
哲学談戯 パスカルとジャンセニスム──『パンセ』に込められた信仰と理性の対話 ジャンセニスムの源流とヤンセニウス ジャンセニスム(Jansenisme)は、17世紀のカトリック教会内部で起こった改革的信仰運動である。その思想的源流は、オランダの神学者コルネリウス・ヤンセン(ラテン語名:ヤンセニウス、1585–1638... 2016.06.03 哲学談戯
晴筆雨読 【年表】ブレーズ・パスカルの生涯と業績 ブレーズ・パスカル 年表年(西暦)年齢出来事・業績社会・歴史的背景1623年06月19日、フランス・クレルモン=フェランに生まれる。父エティエンヌは法律家で数学に関心が深かった。ルイ13世の治世下。宰相リシュリューが中央集権化を推進中。三十... 2016.06.01 晴筆雨読
哲学談戯 スピノザの思想に見る近代的自由の起源:信仰心の合理化の試み – スピノザ『神学・政治論』 スピノザ『神学・政治論』(1670)近代化の条件──宗教と科学の分離 スピノザが生きた17世紀は、「科学革命の世紀」と呼ばれるように、自然科学が飛躍的に発展した時代だ。天文学、力学、光学などの分野で新しい知見が次々と現れ、それまで宗教が担っ... 2016.05.10 哲学談戯
方々日誌 左右盲の克服方法(自己経験談) 左右盲とは? 右と左の区別が咄嗟にはつかないこと、またはそのような人の、自称。 色盲などといった既存の言葉から造られたただの俗語であり、このような病名や学術用語が実際にあるわけではない。 ごく一般には、「右」「みぎ」「左」「ひだり」と言葉ま... 2016.04.25 方々日誌