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晴筆雨読

失われた日本の身体感覚を取り戻す – 養老孟司・甲野善紀『古武術の発見』

絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。養老孟司・甲野善紀『古武術の発見』光文社 (1993)失われた身体感覚を取り戻す 一度失われた技術を再び取り戻す——— 甲野善紀氏は古武術の研究家...
千言万句

「和歌の前の平等」古代日本人の精神世界 – 渡部昇一『日本語のこころ』

絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。渡部昇一『日本語のこころ』(1974)漢語から大和言葉へ ところでヴァイキングにしろアングロ・サクソンにしろ、古代のゲルマン人はキリスト教がくる前...
千言万句

日本語の未来は大丈夫か? – 水村美苗『日本語が亡びるとき』

水村美苗『日本語が亡びるとき』(2008)消えていく言語 一説によれば、現在世界には約5,000から8,000の言語が存在するとされる。数え方にもよるが、少なくとも3000近くあると見るのが一般的らしい。 世界には多種多様な言語が存在してい...
哲学談戯

反時代的思考:ニーチェにおける精神の軌跡とその悲劇 – 渡邊二郎・西尾幹二編『ニーチェを知る事典』

渡邊二郎・西尾幹二編『ニーチェを知る事典』(2013)ニーチェにおける精神の軌跡とその悲劇 本書は、1980年に刊行された書籍の文庫化であり、文庫本ながら約800ページに及ぶ大著である。 ニーチェの専門家だけでなく、多様な分野の研究者50名...
哲学談戯

生への礼賛──ニーチェ『喜ばしき知恵』に見る療癒と意志の再生

ニーチェ『喜ばしき知恵』(1882)「生」への賛美へ 来るべき勝利が、いや、かならずや訪れる、ことによるとすでに到来しているかもしれない勝利が……。 およそ予想外のことが起こったかのように、感謝の念がそこここに溢れ出ている。快癒した者の感謝...
哲学談戯

ニーチェは何を見落としたのか──「ルサンチマン」の罠 – ニーチェ『道徳の系譜』再考

ニーチェ『道徳の系譜』(1887)「家畜の群れ」への断罪 ニーチェは『道徳の系譜』の序文において、この書を前著『善悪の彼岸』の補足・解説として位置づけている。 本来、『善悪の彼岸』自体が『ツァラトゥストラ』の超人思想を説明するべきものだった...
哲学談戯

ニーチェは何を見落としたのか──「高貴な精神」の敗北と道徳批判の空白 – ニーチェ『善悪の彼岸』再考

ニーチェ『善悪の彼岸』(1886)『ツァラトゥストラ』執筆後のニーチェ 『ツァラトゥストラ』全四部を書き上げたニーチェは、あまりに文学的な表現形式をとってしまったこの著作に対し、理論的な解説書が必要だと感じていた。 ニーチェが1881年に、...
哲学談戯

ニーチェの思想:「超人」とは誰のための思想か?道化師としてのツァラトゥストラ

ニーチェ『ツァラトゥストラ』(1883-5)道化師としてのツァラトゥストラ ニーチェの『ツァラトゥストラ』は四部構成で、1883年から1885年にかけて出版された。当初はほとんど注目されず、読者からも理解されなかった。とりわけ第4部に至って...
哲学談戯

理想と被害妄想の狭間 – ルソー『孤独な散歩者の夢想』

ルソーの遺作 ルソーの遺作となった作品。 題名の「夢想」が示す通り、現実と妄想の狭間を行き来するような内容で終始、ルソーの独白が続いていく。 ルソーは一般的には『社会契約論』を提唱した社会思想家として知られているが、その活動領域は哲学にとど...
哲学談戯

役に立たない哲学 – 中島義道『哲学の道場』

哲学をすることの意味とは?日常誰でもが出会う事柄に対して半病的なこだわりをもち、それに対して全身でぶつかってゆき答えを求めようとする無謀でいくぶん滑稽な(まさにトン・キホーテ的な)営みこそ哲学なのです。 哲学は、役に立たない——しかし、だか...
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