科学半解 言語の遺伝子は存在するの? – スティーブン・ピンカー『言語を生み出す本能』 スティーブン・ピンカー『言語を生み出す本能』(1995)Steven Pinker, The Language Instinct: How the Mind Creates Language, 1994言語は本能か? 子供は、言葉に関して何... 2021.02.01 科学半解
哲学談戯 プロテスタント弾圧の象徴カラス事件をめぐって – ヴォルテール『寛容論』 ヴォルテール『寛容論』(1763)カラス事件 1761年、南仏のトゥールーズの商人ジャン・カラスの自宅で、長男のマルク=アントワーヌが首を吊って自害した。ジャン・カラスはプロテスタントの一家であったが、長男はカトリックへ改宗する予定になって... 2020.09.11 哲学談戯
哲学談戯 信仰心の近代化の試み – スピノザ『神学・政治論』 スピノザ『神学・政治論』(1670)近代化の条件―宗教と科学の分離 スピノザの生きた17世紀は、「科学革命の世紀」とも言われ、近代科学が急速に発展した時代だった。 日々進展する自然科学の知識は、当然ながら、従来の信仰の世界と対立することにな... 2020.09.10 哲学談戯
哲学談戯 人と人との間を結びつける紐帯の概念「友愛(philia)」 – プラトン『リュシス』(390 BC?) プラトン『リュシス』(390 BC?)紐帯の原理としての友愛(philia) 副題は、「友愛について」。 ここで論じられている友愛(philia ピリア)は、現代の友情(friendship)より遥かに広い概念。 古代ギリシアにおける「友愛... 2020.08.19 哲学談戯
哲学談戯 哲学する(知を愛する)ことの意味とは? – プラトン『恋がたき』 プラトン『恋がたき』哲学を学ぶとはどういうことか? 『恋がたき』または『恋人たち』。 副題は、「哲学について」。トラシュロスのまとめた36篇の中のひとつだが、この1篇もまた、プラトンの真作ではなく偽作として疑われている。 現代の計量文献学に... 2020.08.18 哲学談戯
哲学談戯 「知っている」とはどういうことか? – プラトン『アルキビアデス』 偽書と疑われた作品 プラトンの作品として現代まで伝わっているものは、帝政ローマ期にトラシュロスがまとめた36編が基本となっている。『アルキビアデス』はその中に含まれる作品だが、古代、中世、近代を通じてプラトンの真作として、その真偽が疑われる... 2020.08.17 哲学談戯
哲学談戯 プラトンの偽書『クレイトポン』について プラトン『クレイトポン』『クレイトポン』の真偽問題 古代ローマ帝国2代皇帝ティベリウスの廷臣であったトラシュロスのまとめたプラトン全集は、現代に至るまでプラトンの著作を編集する際の基礎となってきた。 帝政ローマ期には、すでに真偽不明なプラト... 2020.08.16 哲学談戯
文学逍遥 太宰との確執 – 井伏鱒二『おんなごころ』(1949) 井伏鱒二『おんなごころ』(1949) 太宰が私に対して旧知の煩わしさを覚えていたことを私も知っていた。敗戦後の太宰は、外見だけのことであるが、まるきり人違いがしているようであった。私だけでなく、以前からの親しい友人たちにも、たいていの旧知の... 2020.01.25 文学逍遥
文学逍遥 虚構と近代刑法 – 川端康成『散りぬるを』 川端康成『散りぬるを』(1933) 初出は、1933(昭和8年)年。 5年前に殺された二人の若い女性――― ある作家が、二人への感傷的な思い出を交えながら、事件の訴訟記録をもとに、犯人の心理を推察していく、という話。残された記録から犯人の精... 2019.09.16 文学逍遥
文学逍遥 こころの不具 – 川端康成『片腕』 川端康成『片腕』(1964) ふと私には、この片腕とその母体の娘とは無限の遠さにあるかのように感じられた。この片腕は遠い母体のところまで、はたして帰りつけるのだろうか。私はこの片腕を遠い娘のところまで、はたして返しに行き着けるのだろうか。 ... 2019.09.15 文学逍遥