哲学談戯 樽のディオゲネス – 犬と呼ばれた哲学者 犬と呼ばれた哲学者John William Waterhouse - Diogenes (1882) 古代ギリシア語で「犬」のことをキュオーン(kyon)という。その形容詞キュニコス(Kynikos)は、「犬の、犬のような」という意味である... 2022.02.05 哲学談戯
晴筆雨読 自然の尊重と破壊:分裂する日本の自然観 – オギュスタン・ベルク『風土の日本』 オギュスタン・ベルク『風土の日本』(1986)分裂する日本の自然観晩春のある日曜日の午後、妻と私は戸山町のあたりをぶらついていた。まるで田園にでもいる思いだった。うねうねと曲がる小道、ときおり現われ出る緑、小さな丘、藪で覆われた窪地、切れ切... 2021.07.05 晴筆雨読
方々日誌 【花言葉は天才】哲学者の樹 – プラタナス 街路樹のプラタナス 街路樹としてよく見かけるプラタナス。 和名をスズカケノキという。(プラタナスは、正確には、スズカケノキ属に属する樹木の総称。) 日本では、明治初期に新宿御苑や日比谷公園に植樹されたのがはじまりらしい。その後、各地で街路樹... 2021.04.21 方々日誌
科学半解 言語の遺伝子は存在するの? – スティーブン・ピンカー『言語を生み出す本能』 スティーブン・ピンカー『言語を生み出す本能』(1995)Steven Pinker, The Language Instinct: How the Mind Creates Language, 1994言語は本能か? 子供は、言葉に関して何... 2021.02.01 科学半解
哲学談戯 プロテスタント弾圧の象徴カラス事件をめぐって – ヴォルテール『寛容論』 ヴォルテール『寛容論』(1763)カラス事件 1761年、南仏のトゥールーズの商人ジャン・カラスの自宅で、長男のマルク=アントワーヌが首を吊って自害した。ジャン・カラスはプロテスタントの一家であったが、長男はカトリックへ改宗する予定になって... 2020.09.11 哲学談戯
哲学談戯 信仰心の近代化の試み – スピノザ『神学・政治論』 スピノザ『神学・政治論』(1670)近代化の条件―宗教と科学の分離 スピノザの生きた17世紀は、「科学革命の世紀」とも言われ、近代科学が急速に発展した時代だった。 日々進展する自然科学の知識は、当然ながら、従来の信仰の世界と対立することにな... 2020.09.10 哲学談戯
哲学談戯 人と人との間を結びつける紐帯の概念「友愛(philia)」 – プラトン『リュシス』(390 BC?) プラトン『リュシス』(390 BC?)紐帯の原理としての友愛(philia) 副題は、「友愛について」。 ここで論じられている友愛(philia ピリア)は、現代の友情(friendship)より遥かに広い概念。 古代ギリシアにおける「友愛... 2020.08.19 哲学談戯
哲学談戯 哲学する(知を愛する)ことの意味とは? – プラトン『恋がたき』 プラトン『恋がたき』哲学を学ぶとはどういうことか? 『恋がたき』または『恋人たち』。 副題は、「哲学について」。トラシュロスのまとめた36篇の中のひとつだが、この1篇もまた、プラトンの真作ではなく偽作として疑われている。 現代の計量文献学に... 2020.08.18 哲学談戯
哲学談戯 「知っている」とはどういうことか? – プラトン『アルキビアデス』 偽書と疑われた作品 プラトンの作品として現代まで伝わっているものは、帝政ローマ期にトラシュロスがまとめた36編が基本となっている。『アルキビアデス』はその中に含まれる作品だが、古代、中世、近代を通じてプラトンの真作として、その真偽が疑われる... 2020.08.17 哲学談戯
哲学談戯 プラトンの偽書『クレイトポン』について プラトン『クレイトポン』『クレイトポン』の真偽問題 古代ローマ帝国2代皇帝ティベリウスの廷臣であったトラシュロスのまとめたプラトン全集は、現代に至るまでプラトンの著作を編集する際の基礎となってきた。 帝政ローマ期には、すでに真偽不明なプラト... 2020.08.16 哲学談戯