哲学談戯 「考える葦」としての人間──パスカル『パンセ』の人間観を読み解く パスカル『パンセ』(1670)パスカルが生きた時代と『パンセ』の背景 ブレーズ・パスカルが生きた17世紀のフランスは、長く続いた宗教戦争の混乱を脱し、絶対王制の確立へと向かう安定期に入っていた。「フロンドの乱」によって一時的に社会は揺らいだ... 2016.06.05 哲学談戯
哲学談戯 パスカルとジャンセニスム──『パンセ』に込められた信仰と理性の対話 ジャンセニスムの源流とヤンセニウス ジャンセニスム(Jansenisme)は、17世紀のカトリック教会内部で起こった改革的信仰運動である。その思想的源流は、オランダの神学者コルネリウス・ヤンセン(ラテン語名:ヤンセニウス、1585–1638... 2016.06.03 哲学談戯
晴筆雨読 【年表】ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal, 1623-1662)の生涯と業績 ブレーズ・パスカル 年表年(西暦)年齢出来事・業績社会・歴史的背景1623年06月19日、フランス・クレルモン=フェランに生まれる。父エティエンヌは法律家で数学に関心が深かった。ルイ13世の治世下。宰相リシュリューが中央集権化を推進中。三十... 2016.06.01 晴筆雨読
哲学談戯 スピノザの思想に見る近代的自由の起源:信仰心の合理化の試み – スピノザ『神学・政治論』 スピノザ『神学・政治論』(1670)近代化の条件──宗教と科学の分離 スピノザが生きた17世紀は、「科学革命の世紀」と呼ばれるように、自然科学が飛躍的に発展した時代だ。天文学、力学、光学などの分野で新しい知見が次々と現れ、それまで宗教が担っ... 2016.05.10 哲学談戯
方々日誌 左右盲の克服方法(自己経験談) 左右盲とは? 右と左の区別が咄嗟にはつかないこと、またはそのような人の、自称。 色盲などといった既存の言葉から造られたただの俗語であり、このような病名や学術用語が実際にあるわけではない。 ごく一般には、「右」「みぎ」「左」「ひだり」と言葉ま... 2016.04.25 方々日誌
方々日誌 スライド・ギターの名手、ロイ・ロジャース ── 俳優じゃない方のRoy Rogers Blues Singer - Roy Rogers YouTubeで偶然見つけたギタリスト、ロイ・ロジャース(Roy Rogers)。検索すると同名の西部劇俳優ばかりが出てくるが、こちらはデルタ・ブルースを得意とするスライド・ギターの名手で... 2016.04.20 方々日誌
晴筆雨読 多様性の時代としてのルネサンス——合理と神秘、死と再生の交錯 – 樺山紘一『ルネサンス』 絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。樺山紘一『ルネサンス』(1993)近代性の陰に隠れたもう一つのルネサンス像 人間中心主義と合理主義的精神——— 14世紀以降のイタリアに始まり、ヨ... 2016.04.03 晴筆雨読
千言万句 感情は「自然に湧く」ものか、「引き起こされる」ものか──日本と西欧における感情観の文化的相違 感情とは何か? 人はなぜ、嬉しくなったり、悲しくなったりするのだろうか。私たちが日々経験する感情は、どこから来て、どのように表現され、どう理解されているのだろうか。 この素朴な問いを深く掘り下げていくと、日本語と西欧語のあいだに横たわる、感... 2016.03.20 千言万句
哲学談戯 デカルト『情念論』における心身の交差点──デカルト形而上学の終着点 デカルト『情念論』(1649)デカルトの形而上学を総括する書としての『情念論』 ルネ・デカルトが晩年に完成させた最後の著作『情念論』(Les Passions de l’âme, 1649)は、彼の形而上学的思索を総括する書物だと言える。デ... 2016.03.15 哲学談戯
哲学談戯 なぜデカルトは神の存在を証明しようとしたのか?──存在論から認識論への転換 – デカルト『省察』を読む デカルト『省察』(1641)『省察』扉絵近代合理性と神への信仰Je pense, donc je suis. ── Cogito ergo sum我思う、ゆえに我あり 「我思う、ゆえに我あり」という言葉は、西洋哲学史の中でもとりわけ有名な命... 2016.03.10 哲学談戯