文学逍遥 【ロシア文学を読むために】ロシア人の名前について ロシア人の名前のしくみ ロシア人の名前は、「名・父称・姓」によって構成されます。 たとえば、ロシアの文学者の名前を挙げると。。。ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・ゴーゴリフョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーレフ・ニコラエヴィチ・トルスト... 2024.03.25 文学逍遥
文学逍遥 【ドイツ文学を読むために】ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』登場人物一覧 作品概要『ヴィルヘルムマイスターの修業時代』は、ドイツの古典主義を代表するゲーテの代表作の一つ。1796年に発表され、ノヴァーリスやトーマス・マンなど後続の作家から教養小説の模範とされた。登場人物一覧*ネタバレなし版ヴィルヘルム 主人公。父... 2024.03.01 文学逍遥
文学逍遥 女性への眼差しの変化 – 太宰治『満願』 太宰治『満願』(1938)「明るさ」への転機 八月のおわり、私は美しいものを見た。朝、お医者の家の縁側で新聞を読んでいると、私の傍に横坐りに坐っていた奥さんが、「ああ、うれしそうね」と小声でそっと囁(ささや)いた。 ふと顔をあげると、すぐ眼... 2024.02.24 文学逍遥
文学逍遥 運命を背負うということ – カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』 ネタバレ注意!未読の方は、ページを閉じることをオススメします。カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』Kazuo Ishiguro, Never Let Me Go, 2005青春小説? 多感な頃の不安定な心理と人間関係、そうした十代の頃の普... 2022.08.21 文学逍遥
文学逍遥 太宰との確執 – 井伏鱒二『おんなごころ』(1949) 井伏鱒二『おんなごころ』(1949) 太宰が私に対して旧知の煩わしさを覚えていたことを私も知っていた。敗戦後の太宰は、外見だけのことであるが、まるきり人違いがしているようであった。私だけでなく、以前からの親しい友人たちにも、たいていの旧知の... 2020.01.25 文学逍遥
文学逍遥 虚構と近代刑法 – 川端康成『散りぬるを』 川端康成『散りぬるを』(1933) 初出は、1933(昭和8年)年。 5年前に殺された二人の若い女性――― ある作家が、二人への感傷的な思い出を交えながら、事件の訴訟記録をもとに、犯人の心理を推察していく、という話。残された記録から犯人の精... 2019.09.16 文学逍遥
文学逍遥 こころの不具 – 川端康成『片腕』 川端康成『片腕』(1964) ふと私には、この片腕とその母体の娘とは無限の遠さにあるかのように感じられた。この片腕は遠い母体のところまで、はたして帰りつけるのだろうか。私はこの片腕を遠い娘のところまで、はたして返しに行き着けるのだろうか。 ... 2019.09.15 文学逍遥
文学逍遥 頽廃を描き続ける執拗さ – 川端康成『眠れる美女』 川端康成『眠れる美女』(1961) 三島由紀夫は、新潮文庫版に解説を寄せて、この作品を次のように評している。 『眠れる美女』は、形式的完成美を保ちつつ、熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の逸品である。デカダン気取りの大正文学... 2019.09.14 文学逍遥
文学逍遥 情景に溶け込む心情 – 川端康成 短編作品 『イタリアの歌』 1936年の初出。 川端の代表作『抒情歌』(1932)と同じく「死とそれを受け入れるもの」という主題を引き継いだ作品。だが、この作品の「死」の方がより唐突だ。死を受け入れる側は、突然のことに茫然とし、感情さえ失っているよう... 2019.09.02 文学逍遥
文学逍遥 恋と芸術の狭間 – 川端康成『花のワルツ』 川端康成『花のワルツ』(1937) チャイコフスキーのバレエ曲「花のワルツ」を舞台で踊る二人のバレリーナ、鈴子と星江。 二人は舞台の主役であり、振り付けも二人のために考えられたものだ。若い二人はまだ未熟で、互いを認め信頼しつつも、感情の起伏... 2019.09.01 文学逍遥