Levee Townとは、堤防のある町という意味。もちろんNew Orleansのことだ。
前作の『South of 1-10』は、彼のrootsであるLouisianaを主題にしたsouthern tasteのRockといった感じで、あくまでRock色の強い作品だった。
で、今回はまさに”Roots Music”といった感じの作品だ。今回の作品では、New Orleansの多様な音楽的要素を幅広く取り込んでいる。
New OrleansのRoots Musicと言えば、ZydecoやCajunと呼ばれるフランス音楽に由来したCountry Musicだ。Accordionを多用するところが非常に印象的な音楽なのだが、Sonny LandrethはそうしたFrench Louisianaの要素を今まで、なかば実験的な形で取り込んできた。それが今回の作品では、album全体のthemeになっている。
印象的な曲は、”The U.S.S. Zydecoldsmobile”。AccordionをmainにすえたRockで、まさにZydecoをRockにしたらこうなるだろうなぁー、と感じさせる曲。
”Angeline”と”Deep South”は、Sonny Landrethには珍しくhorn arrangementsの曲。ルイジアナにもう一つ代表的な地域音楽として、brass band marchのSecond Lineと呼ばれる音楽があるが、これはその要素を反映した曲だろう。
Country Balladの”Love and Glory”も個人的に非常に好きな曲。ちなみにこの歌詞は、Louisianaに伝わる古い伝承をモチーフにしているらしい。
やっぱりRoots Musicは、多様な音楽的要素をmush upするところが面白いと思う。無理に組み合わせてかえって印象の悪くなる曲が多い中、Sonny LandrethのLevee Townは、間違いなくRoots Musicの傑作と呼べると思う。
ちなみに、2000年発表の作品だが、2009年に未発表曲5曲を追加したExpanded Editionを発売している。