Delta Bluesとは?
The Delta blues style of blues is one of the earliest. It originated in the Mississippi Delta, a region of the United States stretching from Memphis, Tennessee, in the north to Vicksburg, Mississippi, in the south and from Helena, Arkansas, in the west to the Yazoo River in the east. The Mississippi Delta is famous for its fertile soil and for its poverty. Delta blues is regarded as a regional variant of country blues. Guitar and harmonica are its dominant instruments; slide guitar (usually played on a steel guitar) is a hallmark of the style. Vocal styles in Delta blues range from introspective and soulful to passionate and fiery.
【抄訳】
デルタ・ブルースは、もっとも初期のブルースのひとつ。テネシー州メンフィスから、ミシシッピ州ヴィックスバーグに広がるミシシッピ・デルタ周辺の地域で生まれた音楽。ミシシッピ・デルタは、肥沃な土地であると同時に、経済的には貧困地域として知られている。
デルタ・ブルースは、カントリー・ブルースの地域的な一変種と捉えられている。ギター、ハーモニカが主に使われ、特にスライドギターは、その象徴となっている。謡い方は、内面的で感情的なものから、情熱的で激しいものまで、幅が広い。
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Bluesの誕生は19世紀後半、南北戦争終結(1865)後の数十年間の間と言われている。南部諸州の解放奴隷たちの間で、広く自然発生的に生まれたのだろうが、当時の記録は全くないので詳細は分からない。
Bluesが記録として残されたのは、1903年が最初で、ミシシッピ州のデルタ地帯を旅行していたW.C. ハンディが譜面に起こしたのが始まりだ。それ以前からBluesと類似の音楽は、南部諸州の広い地域で演奏され歌われていたのだろうが、「Blues」という言葉で認識される音楽の発祥は、南部の中でも「Deep South」と呼ばれるルイジアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州、ジョージア州、サウスカロライナ州が中心と見られている。そのDeep Southの中でもミシシッピ川流域のデルタ地帯がもっとも初期のBluesと言われている。
その後、Bluesはセントルイス、シカゴ、ニューヨークなど黒人たちが職を求めて移住した都市を中心に、1930年代にはアメリカ各地へと広まっていった。
Bluesは都市部へ広まるにつれて、その形式を大きく変えていった。特にシカゴを中心に発展したBluesは、JazzやBoogieなど多様な音楽の影響を受け、バンド編成になり、電気で音量を増幅するようになった。この都会的な形式は、City Bluesと呼ばれるようになり、初期の南部のBluesとは区分されるようになった。一方、南部のBluesは、City Bluesに対して、Country Bluesと呼ばれるようになる(この時の “country” という言葉は、Country Musicとは何の関係もない)。
南部のBlues、すなわちCountry Bluesは、貧しい黒人たちがお金がないながらも自分たちを表現するために生み出した文化だ。当時最も安く手に入った楽器がハーモニカで、次にギターだった。南北戦争が終結した後に軍隊楽団が払い下げたり、残していったものが安く手に入ったらしい。
ギターやハーモニカは、演奏の自由度が高く、個人の感情を直接表現するのに適していた。特にスライド・ギターによってビブラートの表現が可能になると、悲しみや苦しさといった心情の表現に非常な効果を発揮した。
Country Bluesの中でもミシシッピ・デルタで生まれた最初期のBluesは、特にDelta Bluesと呼ばれている。今では、Country Bluesという言葉もあまり使われなくなり、Country BluesはDelta Bluesとほとんど同義の言葉となっている。
しかし、「Delta」という言葉にはやはり、特殊な響きがあると思う。
デルタ地帯は当時の黒人たちにとって決して良き思い出の地ではない。南北戦争が終わって奴隷身分から解放された多くの黒人たちが農場での仕事を求めてこの地に移住してきた。そこでの労働は過酷以外の何物でもなかったはずだ。デルタ地帯は広大な湿地の広がった地域で、ワニが徘徊し、しばしば洪水などの災害を引き起こし、多くの水難事故の現場となった。
それでも雄大な川の流れは郷愁を誘うものだったのかもしれない。ミシシッピ川流域の自然の姿は、Bluesの中で何度となく歌われ続けている。Bluesの12小節のゆったりとした曲調は、ミシシッピ川の雄大でゆっくりとした水の流れを思わせる。Bluesに悲しみを込めて歌った歌人たちは、ミシシッピ川の壮大な水の流れが、その悲しみを洗い流してくれると感じていたのかもしれない。
Delta King – Robert Johnson
Delta Bluesといえば、やっぱり、Robert Johnson。伝説的なSingerで、生い立ち等はほとんど謎に包まれている。Delta Bluesは、彼のRecordをきっかけに世界的に広まっていった。
[adcode] Blues――― その誕生と発展には、奴隷制度と人種差別の悲しい歴史が深くかかわっている。 奴隷制度とBlues アメリカに最初に黒人奴隷が連れてこられたのは1619年と言われている。その後、[…]