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2015年4月

  • 2015年4月29日

ルソー『孤独な散歩者の夢想』(1782)

 ルソーの遺作となった作品。 夢想とある通り現実と妄想の間を行き来するような内容で終始、ルソーの独白が続いていく。  ルソーは、一般的には社会契約論を唱えた社会思想家として知られているが、社会思想や哲学の他に、博物学、音楽理論、芸術論などの著作もあり、作家として小説も書いていて、非常に多岐にわたる活 […]

  • 2015年4月23日

大島直政『イスラムからの発想』(1981)

 一般のイスラム教徒には、異教徒と理解し合おうという思想はない、ということを心得ておかねばならない―――  異文化間での相互理解の基本は、「お互いを理解できないということを理解する」という点から始まる。相手を「理解できない他者」だと認めることは、相手が自分とは異なる価値観、世界観の下に生きていること […]

  • 2015年4月21日

格差問題を食い物にする人たち その2

山田昌弘『希望格差社会』(2004) 文明批評を根拠に語る経済問題  発表当時、非常に話題になり、かなり売れた本だが、内容自体は極めて粗雑で流行語を作ったということ以外には何の価値もない本。  著者は現在の日本で格差が広がっていることに対して、まず社会学の近代化論を持ち出している。  ん!? 格差問 […]

  • 2015年4月20日

格差問題を食い物にする人たち

三浦展『下流社会』(2005) 実態調査ではなく、意識調査  総中流化の「1955年体制」から階層化の「2005年体制」へと社会は変化している、というのが著者の基本的な認識だ。 だが、それを裏付けるためのデータはすべて階級意識の調査に基づいたものであり、生活実態を調査したものでは一切ない。つまり、階 […]

  • 2015年4月15日

朝日新聞特別報道チーム『偽装請負』(2007)

企業の巧妙な脱法行為  2007年刊行。 偽装請負(委託)について朝日新聞が行った調査報道をまとめたもの。  日本では解雇要件が非常に厳しく、正社員の解雇や賃下げは実質的に不可能なため、雇用の調整弁として派遣が広く一般化してしまった。現在の派遣労働は、特殊技能の派遣というその本来の意義から逸脱した目 […]

  • 2015年4月10日

橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司『おどろきの中国』(2013)

そもそも「中国」ってなに?  2013年刊行。著名な社会学者三人による鼎談。  前半は、社会学者らしく、ヴェーバー流の比較社会学的な見地から、中国社会の特徴を描いている。 社会学の理論は、ヨーロッパの近代国民国家を前提として概念が組み立てられているので、国民という意識が国家を考える上での前提になって […]

  • 2015年4月4日

フロイト『戦争と死に関する時評』(1915)

そしてこの戦争がもたらしたもの、それは幻滅である。 世界大戦がもたらした幻滅  第一次世界大戦のさなかに書かれた論文。フロイトが、第一次世界大戦という未曾有の戦争に直面して、それがいかに衝撃的だったかが非常によく伝わってくる。  フロイトは、この戦争における幻滅を二つ上げている。まず近代国家が、自国 […]

  • 2015年4月3日

フロイト『人はなぜ戦争をするのか』(1932)

フロイト『人はなぜ戦争をするのか』(2008)  第一次世界大戦以降のフロイト後期の作品を集めた論文集。フロイトは、第一次世界大戦に直面して、人間の破壊的な欲望をまざまざと見せつけられ、それを契機にタナトスという死への欲動を理論化していく。その過程の作品を中心に編まれている。 外傷性神経症の発症   […]