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自然への尊重と破壊 分裂する日本の自然観 – オギュスタン・ベルク『風土の日本』

オギュスタン・ベルク『風土の日本』(1986)分裂する日本の自然観晩春のある日曜日の午後、妻と私は戸山町のあたりをぶらついていた。まるで田園にでもいる思いだった。うねうねと曲がる小道、ときおり現われ出る緑、小さな丘、藪で覆われた窪地、切れ切...
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インド仏教小史 – ヤン・ゴンダ『インド思想史』~仏教理論編~

J・ゴンダ『インド思想史』のまとめ続き。今回は仏教について。ブッダの不可知論 ブッダは悟りを開いた当初、自らが達した解脱智を人々に説くことを躊躇していた。しかし、世俗化する祭式主義と出家などの苦行主義とに両極化する中で、人々が苦しみの中に置...
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ヴェーダからヒンドゥー教まで – ヤン・ゴンダ『インド思想史』(1948)

インドの思想と宗教 インド北西のインダス川流域では、紀元前2600年頃からインダス文明が発展した。この文明は紀元前1800年頃には衰退し、それと入れ替わるような形で、紀元前1900年から1700年を境にヴェーダ期と呼ばれる新たな文化が形成さ...
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原始仏教入門 – 中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)

中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)ブッダ本来の教えを知る ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀頃、インド北部、ネパール国境付近のシャーキャ国の王族として生まれ、29才で出家、6年間の修行ののちに悟りを開き、その後は80才で入滅する...
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日本人の知らない日本の宗教 – トーマス・カスーリス『神道』

トーマス・カスーリス『神道』(2004) 2004年刊行。翻訳は2014年。 著者は、アメリカにおける日本思想、宗教哲学の第一人者。神道という、日本人にとってさえ、極めて捉えどころない宗教を外国人の視点から、体系的にまとめている。 多くの日...
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多様なルネサンス像 – 樺山紘一『ルネサンス』

絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。樺山紘一『ルネサンス』(1993)近代性の裏に隠れたルネサンスの異なる側面 人間中心主義と合理主義的精神——— 14世紀は、古典文芸の復興の時代で...
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被差別民の歴史 – 阿部謹也『刑吏の社会史』

阿部謹也『刑吏の社会史』(1978)社会史とは何か 社会史とは何を対象にした歴史なのだろう? 歴史学の中でも政治史、経済史、法制度史、美術史、建築史といったものは、対象がはっきりしているので分かりやすい。しかし、社会史と言われると何をする学...
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民話の解釈学 – 阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』

阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』(1974)「ハーメルンの笛吹き男」の物語はどのようにして生まれたのか? 1284年、ハーメルンに現れた笛吹き男が、報酬と引き換えにネズミを駆除したが、約束を反故にされ、怒って子ども130人を笛で誘い出し、街...
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失われた日本の身体感覚を取り戻す – 養老孟司・甲野善紀『古武術の発見』

絶版本を読む絶版本の世界へようこそ。あえて絶版本を読み、それを紹介するという誰得?な企画です。養老孟司・甲野善紀『古武術の発見』光文社 (1993)失われた身体感覚を取り戻す 一度失われた技術を再び取り戻すことは、極めて困難な試みだ。 甲野...
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本を読んでるとバカになる? – 清水幾太郎『本はどう読むか』

清水幾太郎『本はどう読むか』(1972)読まれる読書から読む読書へ 読書というのは、なんとなく読んでいるだけで、自分が考えたような気になってしまう。しかし、著者に言わせると、それは本に「読まれている」だけで、自分にとって意味のある読書体験に...
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