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哲学談戯

プラトン『メノン』を読む──対話から想起へ:ソクラテスからプラトンへ思想史的転換の瞬間

プラトン『メノン』(385 BC?)対話から想起へ 『メノン』は、プラトン初期対話篇の作品の中で、最も遅く書かれたものの一つと見られている。初期作と中期作の両方の特徴を持ち、中期への橋渡し的な位置付けにある。 本対話篇の主題は、「徳(アレテ...
哲学談戯

プラトン『プロタゴラス』を読む──哲学の誕生とソクラテス言葉を問う思索の原点

プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)若きソクラテスの姿 プラトンの対話篇『プロタゴラス』は、最も若い頃のソクラテスを描いた作品の一つ。作中ではソクラテスは36歳、執筆当時のプラトン自身もおそらく30代であり、この対話篇はプラトンの初期...
哲学談戯

ソクラテスの二面性とアテナイの変貌──プラトン『クリトン』を歴史から読み解く

ソクラテスの思想とその歴史的背景 『ソクラテスの弁明』において、ソクラテスは魂への配慮を最優先に掲げ、名誉や富といった世俗的価値を退け、神(ダイモーン)の声に従うことを人生の指針とした。そこにあるのは、個人の内面の徳を高めるための徹底した自...
哲学談戯

毒杯を仰いだ哲学者としての運命 – プラトン『ソクラテスの弁明』を読む

プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?)ソクラテス──「無知の知」と対話の哲学 私は神によってポリスにくっ付けられた存在なのです。大きくて血統はよいが、その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚まさせてもらう必要がある...
哲学談戯

【古代ギリシア哲学】ソクラテス・プラトン年表|著作一覧

ソクラテス年表年代(紀元前)出来事補足470年頃アテナイに誕生父ソフロニスコス(石工)、母フェナレテ(助産師)の子として生まれる。455〜450年頃青年期彫刻家として活動したとされる。教育は主に当時のアテナイの伝統的教養(音楽・体育・詩)に...
哲学談戯

ギリシア思想の構造──自然・人間・理念をめぐる哲学の展開

汝自身を知れ──哲学の転換点としてのソクラテス 「汝自身を知れ(Γνῶθι σεαυτόν)」という言葉は、デルポイのアポロン神殿に刻まれていた古代ギリシアの格言であり、ソクラテスの思想を象徴する表現として広く知られている。この一言に象徴さ...
晴筆雨読

インド思想の源流──〈自己〉を問い直す思想:仏教の誕生と展開

仏教──「自己」を問う思想の転換点 ヴェーダ的宗教思想とその後のブラフマニズムが宇宙と人間の根源的結合、すなわちアートマン(自己)とブラフマン(梵)の一体性を説いてきたのに対し、仏教はその前提そのものを根本から問い直した思想運動である。紀元...
晴筆雨読

インド思想の源流──ヴェーダからウパニシャッド、ヒンドゥー教、ヨーガへ

インドの思想と宗教の形成 インド北西部のインダス川流域では、紀元前2600年頃から、優れた都市計画や排水設備を備えた高度な都市文明──インダス文明が栄えた。しかし、この文明は紀元前1800年頃には衰退を迎え、その後の展開は長らく謎に包まれて...
晴筆雨読

仏教の原点を問う:ブッダ本来の教えとは?──非我の理解と執著の断絶

ブッダ本来の教えを知るために ガウタマ・シッダールタ(ブッダ)は、紀元前5世紀頃、インド北部、現在のネパール国境付近にあったシャーキャ国の王族として生まれた。彼は29歳で出家し、6年間の厳しい修行を経て、ブッダガヤのアシヴァッタ樹(ピッパラ...
晴筆雨読

日本人の知らない日本の宗教 – トーマス・カスーリス『神道』

トーマス・カスーリス『神道』(2004)神道の本質に迫る異文化的視座 2004年刊行。翻訳は2014年。 著者トーマス・カスーリス氏は、アメリカにおける日本思想および宗教哲学の第一人者である。 神道は、日本人にとっても把握しにくい、曖昧で多...
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