哲学談戯 エロスへの賛歌 哲学的文学作品 – プラトン『饗宴』(385 BC?) 哲学的文学作品 彼女は言った。『では、以上をまとめると、こうなる――エロスは、よいものを永遠に自分のものにすることを求めているのだと』 舞台は、前416年のアテナイ。ソクラテスは53歳で、壮年を迎えている。 『ソクラテスの弁明』『クリトン』... 2017.04.05 哲学談戯
哲学談戯 対話から想起へ – プラトン『メノン』(385 BC?) プラトン『メノン』(385 BC?)対話から想起へ 『メノン』は、プラトン初期対話篇の作品で、『ゴルギアス』とともに最も遅く書かれたと見られている。初期作と中期作の両方の特徴を持ち、中期への橋渡し的な位置付けにある。 主題となっていることは... 2017.03.13 哲学談戯
哲学談戯 魂という不滅不変の存在 文学と哲学の融合 – プラトン『パイドン』(385 BC?) プラトン『パイドン』(385 BC?)プラトン中期の代表作 『パイドン』は、毒杯を仰ぐソクラテスの最期の姿を描いた作品。哲学的のみならず、文学的にも優れた内容で、プラトン中期を代表する著作だ。 「魂の不死について」という副題が付いているよう... 2017.03.10 哲学談戯
哲学談戯 徳(アレテー)は教えられるか? – プラトン『プロタゴラス』(390 BC?) プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)若きソクラテス 『プロタゴラス』は、プラトンの「対話編」の中では、『パルメニデス』に次いで、最も若いころのソクラテスの姿を描いた作品。作中でのソクラテスは、36歳となっている。プラトンの初期作品群に... 2017.03.05 哲学談戯
哲学談戯 毒杯を仰いだ哲学者としての運命 – プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?) プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?)ソクラテスの公開討論 私は神によってポリスにくっ付けられた存在なのです。大きくて血統はよいが、その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚まさせてもらう必要がある馬、そんなこのポリ... 2017.03.03 哲学談戯
哲学談戯 プラトン著作一覧 プラトンの著作として伝承された文献は非常に多く、その中には彼が執筆したと広く認められているもの(真作)と、後世にプラトンの名を借りて書かれたとされるもの(疑作・偽作)がある。真作(真正と広く認められているもの)初期(ソクラテスの影響が強い)... 2017.03.01 哲学談戯
哲学談戯 自然から人間へ ギリシア哲学の転換点 – F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932) F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)古代ギリシア哲学史汝自身を知れ——— デルポイの神殿に飾られたこの銘文は、ソクラテスの思想を最も象徴的に表した言葉だろう。 ソクラテス以前の哲学は、イオニアの自然学派が中心で、彼ら... 2017.02.25 哲学談戯
科学半解 科学における理論負荷性 – 村上陽一郎『近代科学を超えて』(1986) 村上陽一郎『近代科学を超えて』(1986)科学における経験的事実への懐疑 近代科学は、実験と観測的事実の積み重ねによって発展してきた――― これは多くの人が抱く科学的知識に対する通念だろう。だが、実は、近代科学の歴史を詳細に検証してみると、... 2016.12.04 科学半解
科学半解 近代科学と宗教の接点 – 村上陽一郎『科学・哲学・信仰』(1977) 村上陽一郎『科学・哲学・信仰』(1977)近代科学の源流 ギリシア文化とキリスト教的世界観――― 近代科学はこの二つの文化を背景として成立した。 近代文明は、通説的な理解では、中世的宗教観を脱し、古代ギリシア思想を復興させたことで始まったと... 2016.12.03 科学半解
晴筆雨読 日本人の知らない日本の宗教 – トーマス・カスーリス『神道』 トーマス・カスーリス『神道』(2004) 2004年刊行。翻訳は2014年。 著者は、アメリカにおける日本思想、宗教哲学の第一人者。神道という、日本人にとってさえ、極めて捉えどころない宗教を外国人の視点から、体系的にまとめている。 多くの日... 2016.11.08 晴筆雨読