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晴筆雨読

インド仏教小史 – ヤン・ゴンダ『インド思想史』~仏教理論編~

J・ゴンダ『インド思想史』のまとめ続き。今回は仏教について。ブッダの不可知論 ブッダは悟りを開いた当初、自らが達した解脱智を人々に説くことを躊躇していた。しかし、世俗化する祭式主義と出家などの苦行主義とに両極化する中で、人々が苦しみの中に置...
晴筆雨読

ヴェーダからヒンドゥー教まで – ヤン・ゴンダ『インド思想史』(1948)

インドの思想と宗教 インド北西のインダス川流域では、紀元前2600年頃からインダス文明が発展した。この文明は紀元前1800年頃には衰退し、それと入れ替わるような形で、紀元前1900年から1700年を境にヴェーダ期と呼ばれる新たな文化が形成さ...
晴筆雨読

原始仏教入門 – 中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)

中村元『ブッダ伝 生涯と思想』(1995)ブッダ本来の教えを知る ガウタマ・シッダールタは、紀元前五世紀頃、インド北部、ネパール国境付近のシャーキャ国の王族として生まれ、29才で出家、6年間の修行ののちに悟りを開き、その後は80才で入滅する...
哲学談戯

エロスへの賛歌 哲学的文学作品 – プラトン『饗宴』(385 BC?)

哲学的文学作品 彼女は言った。『では、以上をまとめると、こうなる――エロスは、よいものを永遠に自分のものにすることを求めているのだと』 舞台は、前416年のアテナイ。ソクラテスは53歳で、壮年を迎えている。 『ソクラテスの弁明』『クリトン』...
哲学談戯

対話から想起へ – プラトン『メノン』(385 BC?)

プラトン『メノン』(385 BC?)対話から想起へ 『メノン』は、プラトン初期対話篇の作品で、『ゴルギアス』とともに最も遅く書かれたと見られている。初期作と中期作の両方の特徴を持ち、中期への橋渡し的な位置付けにある。 主題となっていることは...
哲学談戯

魂という不滅不変の存在 文学と哲学の融合 – プラトン『パイドン』(385 BC?)

プラトン『パイドン』(385 BC?)プラトン中期の代表作 『パイドン』は、毒杯を仰ぐソクラテスの最期の姿を描いた作品。哲学的のみならず、文学的にも優れた内容で、プラトン中期を代表する著作だ。 「魂の不死について」という副題が付いているよう...
哲学談戯

徳(アレテー)は教えられるか? – プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)

プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)若きソクラテス 『プロタゴラス』は、プラトンの「対話編」の中では、『パルメニデス』に次いで、最も若いころのソクラテスの姿を描いた作品。作中でのソクラテスは、36歳となっている。プラトンの初期作品群に...
哲学談戯

毒杯を仰いだ哲学者としての運命 – プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?)

プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?)ソクラテスの公開討論 私は神によってポリスにくっ付けられた存在なのです。大きくて血統はよいが、その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚まさせてもらう必要がある馬、そんなこのポリ...
哲学談戯

プラトン著作一覧

プラトンの著作として伝承された文献は非常に多く、その中には彼が執筆したと広く認められているもの(真作)と、後世にプラトンの名を借りて書かれたとされるもの(疑作・偽作)がある。真作(真正と広く認められているもの)初期(ソクラテスの影響が強い)...
哲学談戯

自然から人間へ ギリシア哲学の転換点 – F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)

F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)古代ギリシア哲学史汝自身を知れ——— デルポイの神殿に飾られたこの銘文は、ソクラテスの思想を最も象徴的に表した言葉だろう。 ソクラテス以前の哲学は、イオニアの自然学派が中心で、彼ら...
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