羊のぼう

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哲学談戯

徳(アレテー)は教えられるか? – プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)

プラトン『プロタゴラス』(390 BC?)若きソクラテス 『プロタゴラス』は、プラトンの「対話編」の中では、『パルメニデス』に次いで、最も若いころのソクラテスの姿を描いた作品。作中でのソクラテスは、36歳となっている。プラトンの初期作品群に...
哲学談戯

毒杯を仰いだ哲学者としての運命 – プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?)

プラトン『ソクラテスの弁明』(390 BC?) 私は神によってポリスにくっ付けられた存在なのです。大きくて血統はよいが、その大きさゆえにちょっとノロマで、アブのような存在に目を覚まさせてもらう必要がある馬、そんなこのポリスに、神は私をくっ付...
哲学談戯

自然から人間へ ギリシア哲学の転換点 – F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)

F. M. コーンフォード『ソクラテス以前以後』(1932)古代ギリシア哲学史汝自身を知れ――― デルポイの神殿に飾られたこの銘文は、ソクラテスの思想を最も象徴的に表した言葉だろう。 ソクラテス以前の哲学は、イオニアの自然学派が中心で、彼ら...
科学半解

科学における理論負荷性 – 村上陽一郎『近代科学を超えて』(1986)

村上陽一郎『近代科学を超えて』(1986)科学における経験的事実への懐疑 近代科学は、実験と観測的事実の積み重ねによって発展してきた――― これは多くの人が抱く科学的知識に対する通念だろう。だが、実は、近代科学の歴史を詳細に検証してみると、...
科学半解

近代科学と宗教の接点 – 村上陽一郎『科学・哲学・信仰』(1977)

村上陽一郎『科学・哲学・信仰』(1977)近代科学の源流 ギリシア文化とキリスト教的世界観――― 近代科学はこの二つの文化を背景として成立した。 近代文明は、通説的な理解では、中世的宗教観を脱し、古代ギリシア思想を復興させたことで始まったと...
晴筆雨読

日本人の知らない日本の宗教 – トーマス・カスーリス『神道』

トーマス・カスーリス『神道』(2004) 2004年刊行。翻訳は2014年。 著者は、アメリカにおける日本思想、宗教哲学の第一人者。神道という、日本人にとってさえ、極めて捉えどころない宗教を外国人の視点から、体系的にまとめている。 多くの日...
科学半解

【科学思想史】医学の歴史 – ヒポクラテス, ガレノス, ハーヴェイ

ヒポクラテス 医学の歴史は、ヒポクラテスから始まる。紀元前460年ごろ、イオニアのコス島に生まれたと言われ、ギリシア各地を遍歴した。紀元前370年ごろに亡くなるまでに生涯に大量の著作を残したと言われている。 ヒポクラテスによって医学の歴史が...
科学半解

【科学思想史】宇宙像の変遷

プトレマイオスからコペルニクスへ 14世紀初頭、フィレンツェの詩人ダンテによって描かれた『神曲』――― そのなかで語られた世界観は、中世の宇宙像を典型的に表している。 天体はなぜ宙に浮いているのか。それは、天界と地上とでは、異なる法則が支配...
科学半解

【科学思想史】運動の理論から万有引力へ

モノが動くという謎 物が動くというのはどういうことか――― モノは力を加えれば動くし、斜面に置けば転がる。高いところから落とせば落下する。こんな当たり前のことに疑問を抱き、その説明を試みようとしたのが古代ギリシャ人たちだ。 運動の問題に関し...
千言万句

詩人としての生き方 – ホラティウス『詩論』(18 BC?)

ミネルウァの意に添わないなら、あなたは語ることもつくることもいっさいできないだろう。これこそあなたの判断であり、良識である。けれども、将来あなたが何かを書いたなら、まずそれを批評家のマエキウスと父上と私に読んで聞かせてから、原稿を家の奥深く...
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