うつ病かな?と思ったら読む本

野村総一郎『うつ病をなおす』(2004)

うつ病の3類型

 うつ病を発症する要因は、多元的で、主に遺伝などの生物学的要因、習慣や体験など社会的要因、性格や気質など心理的要因などがあり、これらが複合的に作用して、うつ病が発症する。
 うつ病にはいくつかの型があるが、おおよそ3つに分類することができる。
 それぞれ症状も違うし、治療法も異なる。

・うつ病性障害
 2週間以上、数か月続く。メランコリー親和型の性格がなりやすい。抗うつ薬の効果が高い。
・双極性障害
 2週間以上、数か月続く。循環気質の性格がなりやすい。抗うつ薬の効果はやや不良。
・気分変調症
 2年以上続く。自己不確実性を抱えた性格に多い。抗うつ薬の効き目が薄い。

 この本では、この3類型を基礎にそれぞれの症例や治療法が紹介されている。

 治療法として重要なことは、基本的にはどの症例であっても、医師の管理の下での投薬と、なによりも休養ということのようだ。

認知療法

 日本では、抗うつ薬の服用と休養が治療の中心となっているようだが、アメリカなど欧米諸国では、カウンセリングや自助会への参加も主要な治療方法として大きな位置を占めている。
 それは認知療法がうつ病の改善に多大な効果を持つという認識があるからだろう。

 うつ病の患者は、ものの見方が一面的なままそれに固執していたり、過去の体験に囚われたまま、考え方や発想を転換できずにいることがしばしばある。
 そこで認知療法では、クセ付いてしまったものの見方や考え方を変えるように努力し、習慣の変化と性格の改善を図る。そのためには自分の精神状態や性格、考え方のクセなどを対象化して客観的に把握する必要がある。その際に「他者との対話」が非常に役に立つようだ。人との会話が、自らを見つめ直すきっかけになるのかもしれない。
 日本では、この分野が非常に遅れているように感じる。

 本書では、認知療法に関する記載は少なかったが、今後はこの分野の発展に期待したい。