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床屋政談

  • 2015年8月23日

佐伯啓思『自由とは何か』(2004)

 2004年刊行。 自由という身近でありふれた概念をその思想的な根拠から問い直している。今の日本であまりにも当然のものになりすぎて、切実感の失われた自由というものに対して、いかにその意味を問い直すかが本書の主題だ。 自由の歴史的背景  著者はまず自由という概念が現れた歴史的背景から検討している。 近 […]

  • 2015年7月30日

津田大介『ウェブで政治を動かす!』(2012)

若者の選挙離れ  2012年刊行。  本書の冒頭で結構衝撃的な数字が出てくる。曰く、国政選挙の投票率は、この10年近く、20代の投票率が40%を切っている。一方70才を超える人々の投票率は80%近くを維持している。2009年の第45回総選挙における投票者の年齢は、53歳が中央値となっている。。。   […]

  • 2015年7月10日

羽場久美子『拡大ヨーロッパの挑戦 増補版』(2014)

東西ヨーロッパの統合  2014年刊行。2004年の著作の増補版。  EUは、2004年に中東欧10カ国の加盟を承認した。一度の承認としては過去最大で、大規模拡大となった。これらの国々は、かつての東ローマ帝国領であり、文化的にはギリシャ正教、スラブ文化の色合いが濃い。そのため2004年の拡大は、東西 […]

  • 2015年5月31日

山田順『資産フライト 「増税日本」から脱出する方法』(2011)

資本逃避のためのあの手この手  2011年刊行。 本書は、富裕層から一般の人まで資産を海外に移す動きが加速している現状を紹介している。 資本逃避は2009年の民主党政権が誕生したころから増え始め、東北大震災以降さらに増加しているそうだ。しかし、具体的にどれ位の資産が逃避しているのかは本書では何の統計 […]

  • 2015年5月30日

ウォール街の悪夢 – 暴走する投機的金融

神谷秀樹『強欲資本主義 ウォール街の自爆』(2008) 実業を超えて肥大化する金融部門  2008年刊行。リーマンショックを受けて出版された本。  2007年前後から投資銀行家によるPEファンド(Private Equity Fund)が、世界の金余りを背景として巨大化した。 このPEファンドとは、 […]

  • 2015年4月21日

格差問題を食い物にする人たち その2

山田昌弘『希望格差社会』(2004) 文明批評を根拠に語る経済問題  発表当時、非常に話題になり、かなり売れた本だが、内容自体は極めて粗雑で流行語を作ったということ以外には何の価値もない本。  著者は現在の日本で格差が広がっていることに対して、まず社会学の近代化論を持ち出している。  ん!? 格差問 […]

  • 2015年4月20日

格差問題を食い物にする人たち

三浦展『下流社会』(2005) 実態調査ではなく、意識調査  総中流化の「1955年体制」から階層化の「2005年体制」へと社会は変化している、というのが著者の基本的な認識だ。 だが、それを裏付けるためのデータはすべて階級意識の調査に基づいたものであり、生活実態を調査したものでは一切ない。つまり、階 […]

  • 2015年4月10日

橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司『おどろきの中国』(2013)

そもそも「中国」ってなに?  2013年刊行。著名な社会学者三人による鼎談。  前半は、社会学者らしく、ヴェーバー流の比較社会学的な見地から、中国社会の特徴を描いている。 社会学の理論は、ヨーロッパの近代国民国家を前提として概念が組み立てられているので、国民という意識が国家を考える上での前提になって […]

  • 2015年3月26日

池内恵『イスラーム国の衝撃』(2015)

 独裁政権の暴力に頼っている限りは、過激派の発生は止まず、かといって過激派の抑制には、独裁政権を必要とする。このジレンマにアラブ世界は、疲れ切っている。 2014年に突如として現れ、中東情勢をいっぺんに緊迫化させたたイスラーム国(IS)。本書は、その来歴とその思想的な背景を解説している。ISのプロパ […]